問題
感染症サーベイランスで、医療機関、保健所、都道府県を経て厚生労働省に報告されるのはどれか。
1.積極的疫学調査
2.感染症発生動向調査
3.感染症流行予測調査
4.院内感染サーベイランス事業
解説
2.〇:感染症サーベランスと感染症発生動向調査の説明と一致しているのでこれが正解です。
感染症サーベイランス
日本における感染症サーベイランスとは、主に(1)病原体検出報告と(2)患者発生報告から成り立つ。感染症発生動向調査事業(以下、発生動向調査事業)は、国内における感染症サーベイランスとして、平成11年4月1日から施行された感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(以下、「感染症法」という。)第12条から第16条に基づき、国内の感染症に関する情報の収集および公表、発生状況および動向の把握を、医師・獣医師の届出に基づいて行っている。本事業は、感染症の発生情報の正確な把握と分析、その結果の国民や医療関係者への迅速な提供・公開により、感染症に対する有効かつ的確な予防・診断・治療にかかわる対策を図り、多様な感染症の発生及びまん延を防止するとともに、病原体情報を収集、分析することで、流行している病原体の検出状況及び特性を確認し、適切な感染症対策を立案することを目的として、医師等の医療関係者の協力のもと、的確な体制を構築していくことを規定している。
NIID国立感染症研究所HP「日本の感染症サーベイランス」より引用
感染症発生動向調査の患者情報の報告
患者情報は感染症法に基づき、診断した医師(定点把握疾患については指定届出機関の管理者)から保健所へ届出のあった感染症に関する情報について、オンラインシステムにより、都道府県を通じて、厚生労働省に報告されます。
厚生労働省HP「感染症発生動向調査について」より引用
1.×:積極的疫学調査は保健所が主体で実施するものであるので、感染症サーベランスの一環ではないですね。
積極的疫学調査
感染症の集団感染が発生した際に、その状況・動向・原因など集団感染の全体像を調査すること。感染症予防法に基づいて、保健所や国立感染症研究所などが行う。感染者や接触者を調査し、感染源・感染経路などを特定。感染症の拡大防止対策に役立てる
Goo辞書「積極的疫学調査」より引用
詳しくはNIID国立感染症研究所HP「新型コロナウイルス感染症患者に対する積極的疫学調査実施要領」を見てみてください!
3.4.×:説明にあるように、感染症サーベランスではありませんし、保健所も関与していないので不正解になります。
感染症流行予測調査
予防接種法に基づく定期接種対象疾病について集団免疫の現況把握(感受性調査)および病原体検索(感染源調査)などの調査を行い、各種の疫学資料と合わせて検討し、予防接種事業の効果的な運用を図り、さらに長期的視野に立ち総合的に疾病の流行を予測することを目的としています。厚生労働省、国立感染症研究所、都道府県・都道府県衛生研究所等が協力して実施している調査です。
院内感染サーベイランス事業
平成19年4月に施行された改正医療法により、すべての医療機関において管理者の責任の下で院内感染対策のための体制の確保が義務化されました。
院内感染対策サーベイランス(JANIS)は、参加医療機関における院内感染の発生状況や、薬剤耐性菌の分離状況および薬剤耐性菌による感染症の発生状況を調査し、我が国の院内感染の概況を把握し医療現場への院内感染対策に有用な情報の還元等を行うことを目的としています。
厚生労働省院内感染サーベイランス事業HP「JANISについて」より引用
正解.2
