次の文を読み 53〜55 の問いに答えよ。
保健所に市内の介護老人保健施設から「本日 20 時ころから、下痢、嘔吐の症状がある入所者が多数いる。職員も数名が発症している」と 22 時に通報があった。保健所は食中毒を疑い、直ちに調査に入った。
問題53
昼食を検食した職員4名も腹痛、下痢の症状があり、夕食前に退所した者からも発症者が出たため、当日の昼食について喫食調査を行った。昼食の喫食状況と発症状況を表に示す。
(人)
喫食状況
メニュー |
食べた | 食べなかった | ||
発 症 | 未発症 | 発症 | 未発症 | |
ハンバーグデミグラスソース | 88 | 24 | 3 | 46 |
アサリと青菜のあえもの | 50 | 50 | 41 | 20 |
煮 豆 | 60 | 60 | 31 | 10 |
フルーツポンチ | 87 | 69 | 4 | 1 |
原因として最も疑わしいメニューはどれか。
1.ハンバーグデミグラスソース
2.アサリと青菜のあえもの
3.煮 豆
4.フルーツポンチ
解説
食べて発症した人の割合高く、食べなくて発症しなかった人の割合が高い傾向にある食材が疑わしいと言えます。相対危険度かオッズ比を計算するまでもなく、ハンバーグデミグラスソースが疑わしいと分かります。
正答.
1
問題54
10 人の発症者の便からウェルシュ菌が検出されたので、食中毒と判断された。
考えられるのはどれか。
1.嘔吐物から二次感染が起こる。
2.不顕性感染から二次感染が起こる。
3.3日目以降、有症状者が増加する。
4.ほとんどの発症者は軽症で経過する。
解説
選択肢1.2は、ノロウイルスによる感染が特徴です。
選択肢3は、カンピロバクターなどの潜伏期間が長い病原体の特徴です。
選択肢4、状況設定の食べてから数時間で発症していることは、ウェルシュ菌の特徴です。
正答.
4
問題55
この施設への保健所の対応で適切なのはどれか。
1.発症者を隔離する。
2.調理器具の変更を指導する。
3.調理従事者の就業制限を行う。
4.食材の保存方法について指導する。
解説
ウェルシュ菌は、酸素が少ないところを好み、熱に強いことも特徴です。問題53のハンバーグデミグラスソースが疑わしいことから、ハンバーグを煮込んだ後に長時間常温で放置したため、菌が増殖したと考えられます。そのため、保存の方法について、小分けにしてすぐ冷ますなどの対応が必要です。
正答.
4
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