R7 ダイオキシン類概論 問9
問題
ダイオキシン類の物理的・化学的性質に関する記述として、誤っているものはどれか。
- (1) 2,3,7,8-TeCDD は、常温で無色の結晶である。
- (2) 2,3,7,8-TeCDD は、水には非常に溶けにくく、アルコール、有機溶媒などには溶解性がある。
- (3) OCDD の融点は、OCDF より高い。
- (4) OCDD の蒸気圧は、OCDF より小さい。
- (5) オクタノール/水の分配係数(Kow)の値が小さいダイオキシン類ほど疎水性が強い。
解説
ダイオキシン類の物理的・化学的性質に関する問題です。選択肢(5)が誤りである理由は以下の通りです。
(5) 誤り:
オクタノール/水の分配係数(Kow)は、化合物の疎水性(水への溶けにくさ)を表す指標です。この値が大きいほど疎水性が強いとされています。ダイオキシン類は一般に log Kow の値が 6~8 と大きく、非常に強い疎水性(脂溶性)を持つ物質です。
他の選択肢については、以下のとおり正しい記述です。
(1) 正しい:
もっとも毒性が強いとされる 2,3,7,8-TeCDD は、常温で無色の結晶です。
(2) 正しい:
ダイオキシン類は非常に強い疎水性(脂溶性)を持つため、水には極めて溶けにくい性質があります。一方で、アルコールやベンゼン、アセトンなどの有機溶媒には溶解性があります。
(3) 正しい:
ダイオキシン類の融点は、一般に分子量が大きい物質ほど高くなる傾向があります。また、基本骨格の比較では PCDDs > PCDFs > PCBs の順に高くなります。したがって、PCDDs に属する OCDD は、PCDFs に属する OCDF よりも融点が高くなります。
(4) 正しい:
蒸気圧は、一般に分子量が大きくなるほど小さく(低く)なります。塩素数が多い(=分子量が大きい)同族体ほど蒸気圧は小さくなるため、八塩素化物である OCDD は OCDF よりも蒸気圧が小さくなります。
以上のことから、分配係数と疎水性の関係を逆に説明している (5) が誤りとなります。
解答.
5
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