R7 騒音・振動特論 問16
問題
遮音特性及びその測定に関する記述として、誤っているものはどれか。
- (1) 音源には機械の騒音そのものを用いるのが実用的であるが、ホワイトノイズ又はピンクノイズを使用してもよい。
- (2) 変動する騒音の場合は,音源側と受音側において同時に測定することが望ましい。
- (3) 工場建物の遮音特性は、対象の壁面の内側1mと外側1mのオクターブバンド音圧レベル差で表す。
- (4) 2室間の遮音特性は、音源側と受音側の両室内において、それぞれ5点程度の測定点の平均オクターブバンド音圧レベルを測定して、その差で表す。
- (5) JIS Z 8106:2000“音響用語”で規定する「音響透過損失」は、騒音防止のために測定する2室間の遮音特性として求められた値と同一である。
解説
誤っている選択肢:(5)
記述内容:
「JIS Z 8106:2000“音響用語”で規定する「音響透過損失」は、騒音防止のために測定する2室間の遮音特性として求められた値と同一である。」
誤りの理由:
「音響透過損失」と「2室間の遮音特性(音圧レベル差)」は、物理的に異なる値だからです。
詳細解説:
音響透過損失 (TL) は、壁などの遮音材料そのものが持つ固有の性能を表します(TL = 10 log(1/τ)、τは透過率)。
一方、2室間の遮音特性(音圧レベル差) は、壁の透過損失だけでなく、受音室の吸音性能(室定数や等価吸音面積)や隔壁の面積の影響を受けます。
一般に、2室間の音圧レベル差は、 TL – 10 log(S/A)(S:壁面積、A:受音室の等価吸音面積)という関係になり、受音側が響きやすい(吸音力が小さい)ほど、レベル差は透過損失よりも小さくなります。したがって、これらは同一ではありません。
その他の選択肢(正しい記述)
(1) 音源の選択:
実際の機械騒音を用いるのが実用的ですが、分析の精度を高めるために全周波数帯域を均等にカバーするホワイトノイズや、オクターブバンドごとにエネルギーが等しいピンクノイズを使用することも一般的です。
(2) 同時測定の推奨:
音源側のレベルが変動する場合、その変動が受音側にもそのまま反映されます。時間的なズレによる誤差をなくすため、両地点で同時に測定することが望ましいとされています。
(3) 工場建物の遮音特性:
「工場建物についての測定では,窓,出入口,壁などについて,それぞれの内外で測定したバンド音圧レベルの差から周波数別の遮音特性を求める」とされており、壁面の内外1mでの差で表す手法は正しい手順です。
(4) 2室間の平均測定:
室内には音の強弱(定在波など)があるため、1点だけの測定では不正確になります。室内の平均的な音圧レベルを得るために、複数点(5点程度)の平均値を求める手法は標準的な測定方法です。
まとめ:試験対策のポイント
遮音性能 (TL) = 材料固有の「音を遮る力」。
遮音特性(レベル差) = 現場で実際に測った「音の減り具合」。これは部屋の吸音状態に左右される。
この「材料の性能」と「現場での実測値」の違いは、特論の遮音計画において非常に重要な概念です。
正解.
5
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