R7 騒音・振動特論 問22
問題
機械の弾性支持による防振装置に用いられるダンパに関する記述として、誤っているものはどれか。
- (1) ハンマなどの衝撃加振に対して,振動を減衰させる。
- (2) 機械本体の共振振幅を許容範囲内に抑えるために取り付ける。
- (3) 定常運転時には、ダンパの装着によって防振果が大きく向上する。
- (4) ダンパにはオイルダンパと摩擦ダンパがある。
- (5) オイルダンパは、作動油の粘性や圧力降下を利用して運動体に抵抗を与え、運動体の運動エネルギーを熱エネルギーに変換、消散させる装置である。
解説
機械の弾性支持におけるダンパの役割に関する問題です。
「ダンパ」とは
振動のエネルギーを吸収して、揺れを早く収める(減衰させる)ための装置です。自動車のサスペンションや、ドアがゆっくり閉まる仕組みなどにも使われています。
各選択肢の解説
(3)定常運転時には、ダンパの装着によって防振効果が大きく向上する。
(誤り=正解)
機械が一定の速度で安定して動いている状態(定常運転時)において、実はダンパの装着はむしろ防振効果に悪影響を与えてしまうことがあります。 安定している時は、ばね等の柔らかさ(弾性支持)だけで十分に振動を絶縁できます。しかし、そこにダンパ(抵抗を生む装置)が付いていると、かえってダンパを伝わって振動が基礎や床に伝わりやすくなってしまうためです。したがって「大きく向上する」という記述は誤りです。
(1)ハンマなどの衝撃加振に対して,振動を減衰させる。
(正しい)
ハンマやプレス機などのように、ドンッと瞬間的に大きな衝撃が加わる機械に対しては、その振動エネルギーを吸収し、揺れを素早く収める(減衰させる)ためにダンパが非常に有効に働きます。
(2)機械本体の共振振幅を許容範囲内に抑えるために取り付ける。
(正しい)
機械の起動時や停止時には、回転数が徐々に変化する中で、機械の「固有振動数」と一致してしまう瞬間があります。これを「共振」と呼び、揺れが極端に大きくなってしまいます。ダンパはこの共振時の大きな揺れ(共振振幅)を抑え込むために取り付けられます。
(4)ダンパにはオイルダンパと摩擦ダンパがある。
(正しい)
ダンパにはエネルギーを吸収する仕組みによっていくつかの種類があります。設問で挙げられているダンパは、以下のような特徴があります。
・オイルダンパ:油の抵抗を利用。広い範囲で性能が安定している。
・摩擦ダンパ:摩擦力を利用。摩耗により性能が落ちるため、長期的な安定性に欠ける。
(5)オイルダンパは、作動油の粘性や圧力降下を利用して運動体に抵抗を与え、運動体の運動エネルギーを熱エネルギーに変換、消散させる装置である。
(正しい)
オイルダンパは筒の中に入った油(作動油)が狭い穴を通過する際の抵抗(ドロドロとした粘性)を利用して、振動エネルギーを熱エネルギーに変換して消散させる仕組みを持っており、正しい記述となります。
まとめ:試験対策のポイント
ダンパに関する問題では、以下の特性を整理しておきましょう。
- 摩擦ダンパの弱点: 摩耗による性能低下(長期安定性がない)。
- 定常運転時の注意: 共振点(振動数比1付近)では有効だが、高周波域(定常運転時)では
- 防振効果を悪化させることがある。
- 材料の減衰性: 防振ゴムは減衰要素を自ら持っているため、単体で使いやすい。
この「摩擦ダンパ = 摩耗による性能変化」というポイントは、特論におけるダンパ関連の知識問題で非常に出題されやすい箇所です。
正解.
3
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いつもありがとうございます.
答えは(3)ではないでしょうか.
ご指摘ありがとうございます。
解説内容と正解を修正したので、ご確認お願いします。