R7 騒音・振動特論 問23
問題
工場に設置する機械の防振方法に関する記述として、誤っているものはどれか。
- (1) 油圧プレスは、一般的に加振振動数が低く、大きな防振効果を得ることが困難である。
- (2) プレス用防振装置設計上の重要な要素の一つである加振振動数の大小により、防振対象の加振力が異なる。
- (3) ハンマの防振装置の一つである直接支持は、アンビルの下にゴム板又は盤木を介し鉄板を配置し、その下に直接防振装置を取り付ける方法である。
- (4) エアドロップハンマは、防振効果を大きくするために固有振動数を高くする必要がある。
- (5) 圧縮機のうち、往復動式圧縮機と揺動式圧縮機は、振動対策が必要なことが多い。
解説
この問題は、工場機械(プレス、ハンマ、圧縮機)の特性に応じた具体的な防振対策の知識を問うものです。
1. 誤っている選択肢:(4)
記述内容:
「エアドロップハンマは,防振効果を大きくするために固有振動数を高くする必要がある。」
誤りの理由:
防振効果を大きくするためには、固有振動数を「低く」設定しなければなりません。
詳細解説:
ハンマのように大きな衝撃力が発生する機械では、機械本体に質量を付加して弾性支持(ばね支持)を行います。これにより、系の固有振動数を低くすることで、地盤に伝わる力(振動伝達率)を小さく抑えるのが防振の基本原則です。固有振動数を高くしてしまうと、加振力との共振を招いたり、防振効果が得られる範囲(振動数比が √2 以上)から外れてしまったりするため不適当です。
2. その他の選択肢(正しい記述)
(1) 油圧プレスの特性:
油圧プレスは機械プレスに比べてストローク速度が遅く、加振振動数が低い傾向にあります。防振効果を得るには「加振振動数 > √2 × 固有振動数」とする必要がありますが、加振振動数が低いとこの条件を満たす柔らかいばねの設計が物理的に難しくなるため、大きな防振効果を得るのが困難とされています。
(2) プレスの加振力:
プレスの防振設計では、ストローク数(振動数)の大小によって、防振すべき対象が「材料加工時の衝撃力」なのか「スライド往復動による慣性力」なのかが変わります。この加振力の性質の違いを考慮することが設計上の重要事項です。
(3) ハンマの直接支持:
直接支持方式は、アンビル(金敷)の振動を抑えるために、下にゴムや木材を敷き、その下に鉄板を介して防振装置を設置する標準的な手法の一つです。
(5) 圧縮機の振動対策:
往復動式や揺動式の圧縮機は、ピストンの動きによる不釣り合い慣性力が生じやすいため、工場振動の中でも特に対策が必要な代表的な特定施設とされています。
まとめ:試験対策のポイント
ハンマやプレスなどの防振に関する問題では、以下のキーワードを整理しておきましょう。
防振の鉄則:
固有振動数を下げるほど、防振効果は高くなる。
質量付加の目的:
固有振動数を下げるために、機械や架台の質量を大きくする。
圧縮機(往復動・揺動):
振動が大きいため対策が必須の機械である。
「固有振動数を高くする」という記述は、防振の基本原理(振動数比を大きく取る)に反するため、誤りであると判断できます。
正解.
4
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