R7 ダイオキシン類特論 問9
問題
亜鉛回収施設からのダイオキシン類の排出に関する記述として,誤っているものはどれか。
- ⑴ 電気炉ダストに含まれているダイオキシン類が乾式炉内で十分に熱分解されず,一部が集じん装置を経て排ガス中に放出されると考えられる。
- ⑵ 電気炉ダストには塩素が含有されており,排ガス処理工程においてダイオキシン類が新たに生成する可能性がある。
- ⑶ ロータリーキルン式還元炉からの排ガス中のダイオキシン類濃度は,溶鉱炉式還元炉に比べて低いが,その要因としては,炉内での高温処理,炉上部での酸化及び炉出口でのガスの冷却が挙げられる。
- ⑷ 電熱蒸留炉の炉内温度は 1350 ~ 1400 ℃であり,排ガス中のダイオキシン類濃度は極めて低い。
- ⑸ ロータリーキルン式精製炉は炉内が酸化性雰囲気であるため,排ガス中のダイオキシン類濃度はロータリーキルン式還元炉よりも低い。
解説
亜鉛回収施設におけるダイオキシン類の挙動と排出特性に関する問題です。
ただし、選択肢(3)と(5)は過去問で問われたことはありませんので、他の選択肢から絞る程度で十分かと思います。
⑶ 誤り(ロータリーキルン式と溶鉱炉式の濃度比較):
正しい記載は、「溶鉱炉式還元炉からの排ガス中のダイオキシン類濃度は,ロータリーキルン式還元炉に比べて低いが,その要因としては,炉内での高温処理,炉上部での酸化及び炉出口でのガスの冷却が挙げられる。」となります。
⑴正しい(熱分解と排出):
製鋼用電気炉から発生するダスト(電気炉ダスト)を原料とする場合、ダストに元々含まれているダイオキシン類が乾式炉内で十分に熱分解されず、一部がそのまま排ガスとともに集じん装置を経て外部へ放出される「キャリーオーバー」現象が考えられます。一般に、1000℃程度の高温処理が行われる施設では分解が進みますが、条件によっては不完全な場合があります。
⑵正しい(塩素による新規生成):
製鋼用電気炉の集じんダストには塩素が数%~10%程度と高い割合で含まれています。このダストを処理する過程(排ガス冷却工程など)において、塩素源と炭素粒子が反応するデノボ合成などにより、ダイオキシン類が新たに生成する可能性があります。
⑷正しい(高温による抑制):
ダイオキシン類は800℃以上の高温では分解して無害化されます。電熱蒸留炉(立形抵抗電気炉など)のように1350~1400℃といった極めて高い温度で処理が行われる施設では、ダイオキシン類の熱分解が促進されるため、排ガス中の濃度は非常に低くなります。
⑸正しい(精製炉の酸化性雰囲気と濃度):
「ロータリーキルン式精製炉が酸化性雰囲気であるために、還元炉よりもダイオキシン類濃度が低い」は過去問で問われたことは無いと思います。
正解.
3
次の問題だよ~♪
前の問題だよ~♪
目次に戻るよ~♪
