R7 騒音・振動特論 問5
問題
工場内の機械に、周波数1020Hzの純音性の騒音を発する全指向性点音源Sがある。点音源Sと測定点Pとの間には、下図のように高さ2.5mの塀(地表面から頂点Oまでの高さ)が設置されている。測定点Pでの騒音レベルを低減する必要が生じたことから、塀の高さを5mに変更することを計画している。この変更により、騒音レベルは約何 dB低減するか。ただし、施設塀の長さは十分に長く、また塀からの透過音及び地表面での反射音は無視できるものとする。音速を340m/s,√5=2.24として計算せよ。
- (1)7
- (2)10
- (3)13
- (4)16
- (5)19
解説
この問題は、防音壁(塀)の高さを変更した際に、回折による減衰量がどれだけ変化するかを計算するものです。
1. 基本公式:防音壁による減衰量
防音壁による減衰量 R は、一般に以下の近似式(フレネル数 N を用いた式)で求められます。
R = 10 log N + 13 (dB)
ここで、N はフレネル数であり、音源から受音点までの経路差 δ を半波長 λ/2 で割った数値です。
N = δ/ λ/2
2. 波長 (λ) の算出
問題文より、音速 c = 340 m/s、周波数 f = 1020 Hz です。
λ = c/f = 340/1020 = 1/3 m
したがって、半波長 λ/ 2 は、 1/6 = 0.167 m となります。
3. 塀の高さ 2.5 m の時の減衰量 (R1)
幾何学的条件:
音源 S と受音点 P の高さ:1 m
塀の高さ O:2.5 m
塀の頂点 O の音源・受音点からの相対高さ:2.5 – 1 = 1.5 m
水平距離:それぞれ 2 m
回折経路長: S → O = √(\22 + 1.52) = √(4 + 2.25) = √6.25 = 2.5 m
全経路 (S → O → P) = 2.5 + 2.5 = 5.0 m
直線距離: S → P = 2 + 2 = 4.0 m
経路差 δ1 とフレネル数 N1:
δ1 = 5.0 – 4.0 = 1.0 m
N1 = 1.0 / (1/6) = 6
減衰量 R1:
R1 = 10 log 6 + 13
- = 10 (log 2 + log 3) + 13
- = 10 (0.3 + 0.5) + 13
- = 21 dB
4. 塀の高さ 5.0 m の時の減衰量 (R2)
幾何学的条件:
塀の頂点 O の相対高さ:5 – 1 = 4 m
回折経路長: S → O = √(22 + 42) = √(4 + 16) = √20 = 2√5 m
問題文より √5 = 2.24 なので、S → O = 2 × 2.24 = 4.48 m
全経路 (S → O → P) = 4.48 × 2 = 8.96 m
経路差 δ2 とフレネル数 N2:
δ2 = 8.96 – 4.0 = 4.96 m
N2 = 4.96 / (1/6) = 30
減衰量 R2:
R2 = 10 log 30 + 13
- = 10 (log 3 + 1) + 13
- = 10 (0.5 + 1) + 13
- = 28 dB
5. 低減量の算出
塀を高くしたことによる騒音レベルの低減量は、対策後の減衰量の差となります。
Δ R = R2 – R1 = 28 – 21 = 7 dB
したがって、選択肢 (1) が正解です。
まとめ:計算のポイント
相対高さの使用:
三平方の定理を使う際は、地表面からの高さではなく、音源・受音点からの相対的な高さ(塀の高さ - 1m)を使うのが鉄則です。
フレネル数の意味:
塀が高くなり、経路差が大きくなるほど N が増大し、減衰量 R が大きくなるという基本原理を理解しましょう。
近似計算:
試験では正確な数値よりも選択肢に近い近似値を素早く出すことが求められます。
正解.
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