R7 騒音・振動特論 問9
問題
単層平板など密実な一重構造の遮音材料の音響透過損失(TL)の周波数特性として、最も適切なものはどれか。周波数特性の破線で示したMLは質量則であり、frは低音域共鳴周波数、fcはコインシデンスの限界周波数である。
解説
この問題は、単層平板(一重構造)の壁における音響透過損失(TL)の周波数特性について、理論的な挙動(質量則とコインシデンス効果)を正しく示しているグラフを選択するものです。
1. 一重構造の遮音特性の基本
密実な一重構造(単層の壁など)の遮音性能は、主に以下の2つの要素によって決まります。
質量則:
壁の重量(面密度)が重いほど、また周波数が高いほど、透過損失(TL)が大きくなるという法則です。グラフ上では、周波数に対して右肩上がりの直線(破線 ML)として示されます。
コインシデンス効果:
ある特定の周波数帯域で、音波の波長と壁の曲げ波の波長が一致して共振し、遮音性能が極端に低下する現象です。この現象が起こる限界周波数を fc と呼びます。
2. グラフの判別ポイント
一重構造の周波数特性グラフを見分けるポイントは、「どのような低下があるか」です。
一重構造の場合:
低音域での共鳴は発生せず、高音域側の fc(コインシデンス限界周波数) においてのみ、質量則のラインから落ち込みが見られます。この挙動を正確に示しているのが 選択肢 (1) のグラフです。
他の構造との違い:
中空構造(二重壁):
低音域で空気層がばねの役割をして共鳴を起こすため、低音域側に大きな低下(fr:低音域共鳴周波数)が現れます。
抵抗材入りサンドイッチ構造:
グラスウールなどの多孔質材料を挟むことで、低音域の共鳴(fr)を抑え、全体的な遮音性能を向上させた特性になります。
まとめ:試験対策のポイント
一重構造のグラフ:
右肩上がりの直線(質量則)に対し、高音域側(fc)にだけ凹みがあるものを選ぶ。
「fr」の有無:
fr(低音域共鳴)は二重壁などの多層構造特有の現象であるため、一重構造の問題では fr による大きな落ち込みがあるグラフは除外してください。
一重構造の遮音特性は、騒音対策の最も基礎的な知識として頻繁に出題されます。グラフの形状と用語(質量則、コインシデンス効果)をセットで覚えておきましょう。
正解.
1
次の問題だよ~♪
前の問題だよ~♪
目次に戻るよ~♪
