問題

ダイオキシン類分析に用いる GC-MS に関する記述のうち,誤っているものはどれか。

  • GC の試料導入部はスプリットレス方式,オンカラム注入方式又は大量注入方式(温度プログラム気化注入方式など)で 250 300 で使用可能なものを用いる。
  • PCDDs 及び PCDFs の測定では全ての 2,3,7,8-位塩素置換異性体を他の異性体と完全に分離できるカラムは報告されていないので,溶出順位の異なる 2 種類以上のカラムを併用して 2,3,7,8-位塩素置換異性体全てを単独に定量できるようにすることが望ましい。
  • MS は二重収束方式を用いる。
  • MS の分解能は 10000 以上,ただし,内標準物質として ¹³C₁₂-OCDF を使用する場合,キャピラリーカラムの選択によっては 12000 程度が必要になる。
  • MS のイオン検出方法は,検量線作成用標準試料を用いたロックマス方式による SIM を用いる。

解説

ダイオキシン類分析に用いる GC-MS(ガスクロマトグラフ質量分析計)の性能や測定操作に関する問題です。選択肢⑸が誤りである理由は以下の通りです。

⑸誤り:ロックマス方式に使用する試料名

高分解能での測定を維持するために、測定用試料と同時にイオン源に導いて質量の微小な変動を補正する「ロックマス方式」で用いられるのは、「校正用標準試料」(質量校正用標準物質)です。設問にある「検量線作成用標準試料」は、ダイオキシン類の濃度と検出強度の関係を求めるためのものであり、測定中のリアルタイムな質量補正(ロックマス)に用いられるものではありません。

他の選択肢については、以下のとおり正しい記述です。

⑴正しい:試料導入部と温度条件

GCの試料導入部には、スプリットレス方式、オンカラム注入方式、または大量注入方式(温度プログラム気化注入方式など)が用いられ、250 300 で使用可能なものである必要があります。

⑵正しい:カラムの併用

PCDDs(ポリ塩化ジベンゾパラジオキシン)及びPCDFs(ポリ塩化ジベンゾフラン)の測定において、すべての2,3,7,8-位塩素置換異性体を他の異性体から完全に分離できる単一のカラムは存在しないため、溶出順位の異なる2種類以上のキャピラリーカラムを併用して測定することが一般的であり、望ましいとされています。

ただし、この内容は過去問であまり問われていないので、他の選択肢から正解できれば良いと思います。

⑶ 正しい:MSの方式

ダイオキシン類の高精度な分析には高分解能質量分析が必要なため、MSには二重収束方式(二重収束形質量分析計)を用いることが規定されています。

⑷ 正しい:MSの分解能

MSの分解能は原則として 10000 以上が要求されます。ただし、内標準物質として 13C12-OCDF を使用する場合などは、カラムの選択によって 12000 程度が必要になることがあります。

 


正解.

5


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