まとめ

2-1-1 集じん装置全般

2-1-1 集じん装置全般

ばいじん・粉じん特論でも問われる内容です。受験予定の方は、ここで覚えましょう。

1. バグフィルタ(ろ布集じん装置)

仕組み

粉塵を含むガスをろ布(フィルタ)でろ過し、粒子を捕集。捕集した粉塵はフィルタ表面にたまり、清掃により除去。

粒子径ごとの捕集性能

微細粒子(0.01μm~1μm)

極めて高い捕集効率(99%以上)。フィルタの繊維構造によって粒子が絡まりやすいため。

中粒径(1~10μm)

高効率。粒子がフィルタ繊維の間に物理的に捕捉されやすい。

大粒径(10μm以上)

非常に高効率。粒子がフィルタに直接衝突して捕集される。

特徴

粒子径にほとんど関係なく、幅広い粒子径に対応可能。メンテナンス(フィルタ清掃)が捕集性能維持のカギ。

2. 電気集じん装置

仕組み

粒子に電荷を付与し、電場の力で集じん電極に吸着させる。

粒子径ごとの捕集性能

微細粒子(0.01μm~1μm)

非常に高効率(99%以上)。粒子が荷電することで、電場により確実に捕集される。

ただし、粒子が非常に小さい場合、荷電効率が下がることがある。

中粒径(1~10μm)

極めて高効率。荷電しやすく、電場の影響も強い。

大粒径(10μm以上)

高効率。大きな粒子でも十分に捕集可能。

特徴

微細粒子~大粒子まで捕集可能な万能型。高性能だが、初期コストやメンテナンスコストがやや高い。

3. サイクロン(遠心力集じん装置)

仕組み

ガスを旋回させて粒子に遠心力を加え、粒子を分離。

粒子径ごとの捕集性能

微細粒子(0.01μm~1μm)

ほとんど捕集できない。粒子が軽く遠心力が十分に作用しないため。

中粒径(1~10μm)

中程度の効率。粒径が大きくなるほど捕集しやすい。

大粒径(10μm以上)

非常に高効率。粒径が大きいほど遠心力が強く働き、捕集性能が向上。

特徴

大粒径の粉塵捕集に適しており、構造が簡単でコストも低い。微細粒子には不向き。

4. 重力集じん装置

仕組み

ガスを低速で流し、重力で粒子を沈降させて分離。

粒子径ごとの捕集性能

微細粒子(0.01μm~1μm)

ほぼ捕集できない。粒子が軽く、重力による沈降が起きない。

中粒径(1~10μm)

効率が低い。粒子が軽いため、十分に沈降しない。

大粒径(10μm以上)

高効率。粒径が大きいほど重力の影響を受けやすく捕集される。

特徴

大粒径の粉塵を簡単に捕集する装置。非常にシンプルで低コストだが、微細粒子にはほぼ効果なし。

5. 慣性力集じん装置

仕組み

ガスの流れを急激に方向転換させ、慣性力で粒子を分離。

粒子径ごとの捕集性能

微細粒子(0.01μm~1μm)

ほとんど捕集できない。粒子が軽く、慣性力の影響を受けにくいため。

中粒径(1~10μm)

高効率。粒径が大きくなるほど慣性力の影響が強まり、捕集しやすい。

大粒径(10μm以上)

非常に高効率。粒径が大きいため、慣性力で確実に捕集される。

特徴

中粒径~大粒径の粉塵捕集に適している。微細粒子の捕集は難しい。

まとめ

微細粒子(0.01~1μm)

バグフィルタと電気集じん装置が最適。特に微粒子を扱う場合はこの2つが選ばれる。

中粒径(1~10μm)

電気集じん装置やバグフィルタが最適。サイクロンや慣性力集じん装置も適応可能だが効率はやや落ちる。

大粒径(10μm以上)

サイクロン、重力集じん装置、慣性力集じん装置が高効率。バグフィルタや電気集じん装置も対応可能。

用途や対象粒子径に応じて、適切な集じん装置を選択する必要があります。

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ピエうさ
3児の子育てをしながら国家試験に挑む理系会社員。 これまでの受験したノウハウをこのブログで公開中!

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