H28騒音・振動

H28 騒音・振動特論 問11

問題

音圧レベルが等しく 70 dB で,周波数が 50,100,150 Hz である 3 つの純音からなる音がある。この音のバンド音圧レベルとして,誤っているものはどれか。分析フィルタは理想的な周波数特性をもっているものとする。 

 

 中心周波数 63 Hz のオクターブバンドのバンド音圧レベルは 70 dB である。 

 中心周波数 125 Hz のオクターブバンドのバンド音圧レベルは 73 dB である。 

 中心周波数 100 Hz の 1/3 オクターブバンドのバンド音圧レベルは 70 dB である。 

 中心周波数 125 Hz の 1/3 オクターブバンドのバンド音圧レベルは 0 dB である。 

 中心周波数 160 Hz の 1/3 オクターブバンドのバンド音圧レベルは 70 dB である。 

解説

中心周波数をfmとした場合、オクターブバンドにおける下限周波数f1と上限周波数f2の関係は、以下のとおりとなります。

fm=√(f1・f2)=√2・f1=f2/√2

また、中心周波数をfmとした場合、1/3オクターブバンドにおける下限周波数f1と上限周波数f2の関係は、以下のとおりとなります。

fm=√(f1・f2)=6√2・f1=f2/6√2

なお、6√2=1.12です。

以上を踏まえて選択肢を確認します。

(1)
fm=63Hzから、オクターブバンドは、約45~89Hzになります。
このバンドには50Hzの純音が含まれるので、バンドの音圧レベルは70dBです。

(2)
fm=125Hzから、オクターブバンドは、約89~176Hzになります。
このバンドには100、150Hzの純音が含まれるので、バンドの音圧レベルは73dBです。

(3)
fm=100Hzから、1/3オクターブバンドは、約89~112Hzになります。
このバンドには100Hzの純音が含まれるので、バンドの音圧レベルは70dBです。

(4)
fm=125Hzから、1/3オクターブバンドは、約112~140Hzになります。
このバンドには純音は含まれていません。
ただし、バンドを外れた瞬間に0dBとなるわけではなく、バンドを少し外れた周波数でもある程度は音圧レベルを検出します。
したがって、バンド上限周波数付近の150Hzに70dBとあるので、このバンド周波数の音圧レベルも0dBにはなりません。

(5)
fm=160Hzから、オクターブバンドは、約142~179Hzになります。
このバンドには150Hzの純音が含まれるので、バンドの音圧レベルは70dBです。


解答.

4


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POSTED COMMENT

  1. tak より:

    この問題で
    (4)での解説内容がよくわかりませんがどう考えたら宜しいでしょうか?
    (特に、このバンドには純音が含まれていませんとは?)

    >>fm=125Hzから、1/3オクターブバンドは、約112~140Hzになります。
    このバンドには純音は含まれていません。

    • ピエうさ より:

      問題文「音圧レベルが等しく 70 dB で,周波数が 50,100,150 Hz である 3 つの純音からなる音がある。」からです。

  2. tak より:

    >>
    問題文「音圧レベルが等しく 70 dB で,周波数が 50,100,150 Hz である 3 つの純音からなる音がある。」からです。

    この問題文の意味がよくわかりません。
    通過帯域112~140hzだと、100と150hzが含まれていると思うのですが。

    • ピエうさ より:

      通過帯域112~140hzだと、100と150hzが含まれていると思うのですが。

      ご質問のこの意味が分かりません。

  3. tak より:

    この通過帯域だと、100,150hzは含まれていないことになりますか?

    • ピエうさ より:

      精選問題集 騒音測定技術 騒音の測定機器 オクターブバンド分析の通過帯域にフィルタ特性の定義に関する図が載っています。

      周波数分析ができる騒音計は、オクターブバンドごとのフィルタが入っており、このフィルタ内の周波数に該当する音だけを拾うようになっています。
      この音を拾う周波数を通過帯域、通過帯域を外れ音が減っていく周波数を減衰帯域と呼びます。

      この周波数内の音であれば、発生した音圧レベルがそのまま騒音計の測定結果として表示されます。
      一方、減衰帯域の周波数の音であれば、発生した音圧レベルより少ない数値として騒音計に表示されます。
      精選問題集の図でも減衰帯域に入ってすぐに検出が無くなるわけではなく、徐々に検出感度が下がっていくような特性が描かれています。

      この問で通過帯域は、112~140Hzになります。
      設問の100、150Hzは通過帯域からは外れていますが、減衰帯域には入っていると考えられる周波数です。
      そのため、設問の70dBでは騒音計で表示されませんが、全く音が出ていないレベルにはならないと考えられます。

  4. 長崎人 より:

    お世話になっております。指摘するようで申し訳ないのですが、解説のf2は下限周波数ではなく上限周波数という理解で良いでしょうか。もし、解説通りでしたら自分の知識が間違っているのでf1,f2の違いについてお教え頂ければ幸いです。

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