R6 騒音・振動特論 問4
問題
下図のように十分に長い障壁を挟んで,点音源Sを中心とした半径2mの円周上に受音点A,B,C,D,Eが配されており,同一円周上にある障壁の頂点Oと各点との距離は図のとおりである。点音源から周波数400Hzの音が放射されるときに受音点Dで音圧レベルが72dBである場合,同じ音響パワーで周波数800Hzの音を点音源から放射すると,同じ音圧レベル72dBになる受音点はどれか。ただし,障壁の透過音や地面からの反射音は無視できるものとする。
解説
数式が苦手な方でもイメージしやすいように「なぜその計算をするのか」という理由を添えて、5つのステップで分かりやすく解説します。
この問題のゴールは、「音の高さ(周波数)が変わったときに、同じだけ音が小さくなる(減衰する)場所を探すこと」です。
ステップ1:「同じ音圧レベルになる」=「フレネル数が同じ」
障壁(防音壁)によって音がどれくらい小さくなるか(減衰量)は、「フレネル数(N)」という数値で決まります。
つまり、問題文の「同じ音圧レベル72dBになる受音点はどれか」というのは、「点Dと同じフレネル数になるのはどこか?」と言い換えることができます。
フレネル数(N)は以下の公式で求められます。
フレネル数 = 経路差 ÷ 半波長
(※経路差とは、壁を迂回する距離と、真っ直ぐ進んだ距離の「差」のことです)
ステップ2:周波数が2倍になると、波長はどうなるか?
公式の分母にある「波長」について考えます。
音の波長は、周波数に反比例します。今回、音の周波数が 400Hz から 800Hz へと「2倍」になりました。
周波数が2倍になると、波長は「半分(1/2)」になります。
ステップ3:「波長が半分」なら「経路差も半分」にすれば同じになる!
ここがこの問題の最大のポイントです。
フレネル数の公式(経路差 ÷ 半波長)において、分母の波長が「半分」になった状態で、全体の結果(フレネル数)を同じに保つにはどうすればよいでしょうか?
答えは簡単で、分子の「経路差」も「半分」にしてあげれば、帳尻が合って同じフレネル数になります。
つまり、「点Dの経路差を求めて、それを半分にした数値の場所」を探せばよいのです。
ステップ4:点Dの経路差を計算する
それでは、元の受音点Dの経路差を求めます。
問題文に「点音源Sを中心とした半径2mの円周上に~」とあるのが最大のヒントです。これは、SからOまでの距離(OS)も、SからDまでの直線距離(SD)も、すべて半径の「2m」になることを意味しています。
- 迂回する距離:Sから頂点Oを通り、Dへ行く距離(OS + OD)
- 直線距離:SからDへ直接行く距離(SD)
図から OD = 2m なので、経路差は以下のようになります。
経路差 = 迂回距離 - 直線距離
経路差 = (OS + OD) – SD
経路差 = (2 + 2) – 2 = 2m
ステップ5:目標の経路差になる場所を探す
ステップ3で確認した通り、周波数が800Hzのときの目標の経路差は、点Dの経路差(2m)の半分です。
目標の経路差 = 2m ÷ 2 = 1m
では、A~Eの中で経路差が「1m」になる場所(仮に点Xとします)を探します。
点Xの経路差 = (OS + OX) – SX
ここでも円周上なので、OS = 2m、SX = 2m です。
経路差 = (2 + OX) – 2
経路差 = OX
つまり、頂点Oからの距離(OX)がそのまま経路差になります。
目標の経路差は「1m」なので、OX = 1m となっている場所を探せばよく、図の条件に当てはまるのは「受音点B」となります。
まとめ
「周波数が2倍になったら波長は半分。だから同じ防音効果を得たいなら、経路差も半分になる場所を探せばいい!」という理屈を理解しておけば、解説の複雑な数式を立てなくても、パズルのように解くことができます。
計算問題を強化したい方にオススメ
解答.
2
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点Dでの周波数が400Hz、求めたい点Xでの周波数が800Hzであることから、λ’/λD=1/2となります
ここは逆じゃないでしょうか
フレネス数の本質から、あまり数式を使わない解説に変更しました。
なお、音速が一定の場合、周波数と波長λは反比例の関係にあります。
c=λ×f → λ=c×1/f
つまり、λ’とλDは以下のようになります。
λ’=1/f’、λD=1/fD
λ’/λD=fD/f’=400/800=1/2
ありがとうございます。
理解できました。