R1騒音・振動

R1 騒音・振動特論 問21

問題

質量200kgの架台に固定されている質量800kgの回転機械が、基礎上に0.25の振動伝達率で弾性支持されている。支持ばねを変えずに架台に質量を付加して、振動伝達率が0.2になるようにしたい。付加する質量は約何kgとすればよいか。ただし、ばねには減衰要素はないものとし、機械の回転数は変化しないものとする。

⑴ 100

⑵ 150

⑶ 200

⑷ 250

⑸ 300

解説

ばねを変えずに重量の付加を行った場合、付加前後の振動伝達率の関係は以下の関係があります。

m×τ/(τ+1)=m’×τ‘/(τ’+1)

  • m:元の質量
  • m’:付加後の質量
  • τ:振動伝達率
  • τ’:付加後の振動伝達率

この式に問題文の数値を代入します。

(200+800)×0.25/(0.25+1)=m’×0.2/(0.2+1)

m’=1200kgとなります。

元々、架台200kgと機械800kgの合計1000kgだったので、追加で200kg必要になります。

 

なお、質量付加による振動伝達率の関係式は、弾性支持をしているときの振動伝達率、固有振動数とばね定数の関係式から導出できます。公式として覚えても、自分で導出しても良いと思います。

参考に導出方法は以下のようになります。

弾性支持をしているときの振動伝達率を変形します。

振動伝達率τ=1/{(f/f0})2-1}

  • f0:固有振動数

(f/f0)2=1/τ +1

f/f0=√(1/τ +1)

f0=f/√(1/τ +1)

ここで、固有振動数f0=1/2π・√(k/m)から、上の式から求めた固有振動数と等しくなります。

f0=f/√(1/τ +1)=1/2π・√(k/m)

f・√{τ/(1+τ)}=1/2π・√(k/m)

f×√{τ/(1+τ)}=1/(2π)×√k×1/√m

この関係式において、質量付加の影響を受けるものは、質量m、振動伝達率τになります。一方、影響を受けないものは、振動数f、ばね定数kです。

影響をを受けないk、fを左辺、影響を受けるm、τを右辺に移行し、上記の式を整理します。

√k/(2πf)=√m・√{τ/(1+τ)}

両編を二乗します。

k/(2πf)2=mτ/(1+τ)

質量付加により、質量がmからm’、振動伝達率がτからτ’に変化場合であっても、k/(2πf)2の部分は変化しません。

以上から、以下の式が成り立ちます。

mτ/(1+τ)=m’τ’/(1+τ’)

 

正解.3

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POSTED COMMENT

  1. より:

    m×τ/(τ+1)=m’×τ‘/(τ’+1)
    いきなりこちらの式が解説冒頭に出現し、導出方法や式の意図がわかりませんので教えていただけないでしょうか。

  2. ミルク より:

    m×τ/(τ+1)=m’×τ‘/(τ’+1)
    これは何かの公式でしょうか?
    導出方法や式の意図するところについて教えていただけないでしょうか。

  3. より:

    ご丁寧にありがとうございました。参考になります。

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