R7 騒音・振動特論 問17
問題
ある地点の鉛直振動の測定をしたところ、振動源Aから周波数16Hzで変位振幅 5μmの正弦振動が、また別の方向の振動源Bから周波数5Hzの正弦振動が到来しており、それぞれの振動の振動レベルは同一の値であることがわかった。振動源Bからの振動の変位振幅は約何 μm か。
- (1) 15
- (2) 25
- (3) 35
- (4) 40
- (5) 45
解説
角周波数ω(rad/s)、加速度a(m/s2)、速度v(m/s)、変位y(m)
ω=2πf
a=ωv=ω2y
v=ωy=2πf・y
振動加速度レベルLa(dB)、振動レベルLv(dB)=20 log a/a0
- a:振動加速度の実効値(m/s2)
- a0:基準の振動加速度(10-5m/s2)
1 周波数16Hz、変異振幅5μmの振動から振動加速度を算出
角周波数、加速度、変位の関係式に数値を代入します。
a=ω2y
- =(2πf)2×y
- =(2×3.14×16)2×5×10-6
- =1002×5×10-6
- =5×10-2
2 振動加速度から振動レベルを算出
振動加速度から振動加速度レベルを求めます。
20log5×10-2/10-5
- =20(log5 -2 +5)
- =20×3.7
- =74dB
これは振動加速度レベルなので、振動レベルの場合は周波数補正が必要になります。
鉛直振動で16Hzの補正値は-6dBなので、振動レベルは74-6=68dBとなります。
3 振動レベルから加速度の算出
改めて、求める加速度をaとして、関係式に代入します。
68 = 20 log a/10-5
- 3.4=log a +5
- log a= -1.6
a=1/(101×100.6)
- =1/(10×100.3×2)
- =1/(10×22)
- =1/40
- =0.025
4 加速度から5Hzでの変位を算出
改めて、求める変位をyとして、関係式に代入します。
a=ω2y
y=a/ω2
- =0.025/(2×3.14×5)2
- =25×10-3/103
- =25×10-6
- =25μm
解説の工程は多いですが、使用する公式は変位と加速度の関係式、加速度と加速度レベルの関係式の二つでした。
正解.
2
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R7 騒音・振動特論 問18問題
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R7 騒音・振動特論https://pierre-usagi.com/kougai-r7-souon-shindou-tokuron-1/
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3 振動レベルから加速度の算出
の6行目
=1(10×10^0.3×2)
は誤記かと?
正しくは、「1/(10×10^0.3×2)」でした。
本文を修正したので、ご確認お願いします。
すいません質問です
答えには影響ありませんが、、、
定義上、振動加速度レベルで使用する加速度は実効値ですよね?
なので、求めた加速度に1/√2倍してdBを求めてしまったのですが、考え方は間違ってますか?
ちなみに、参考書「正解とヒント」も
1/√2倍はせずに、dBを算出しています。
ご質問ありがとうございます!
結論から申し上げますと、あなたの考え方は学問的・定義的に正しいです。
むしろ、振動の定義(実効値と最大値の関係)を非常に深く、正確に理解されていると思います。
それにもかかわらず、参考書「正解とヒント」などの解説で 1/√2 倍(デシベル換算で -3 dB)の計算が省略されているのには、この問題の構造上、
「実効値への換算プロセスが途中で完全に相殺され、答え(変位振幅)に影響しないから」というからくりがあります。
この「からくり」と、なぜ省略しても同じ答えになるのかを分かりやすく解説します。
1. なぜ 1/√2 倍(-3 dB)が消えてしまうのか?
この問題は、振動源Aの「変位振幅(最大値)」からスタートし、最終的に振動源Bの「変位振幅(最大値)」を求めるという、「最大値 -> 最大値」のリレー計算になっています。
定義通りに「実効値」を挟んで計算する場合と、参考書のように「省略」して計算する場合のステップを比較してみましょう。
定義通り「実効値」を挟んで解く場合
1. 振動源A(16Hz)の加速度「最大値」を求める
a(A,max) = (2πf)^2 × y ≒ 100^2 × (5 × 10^-6 m) = 0.05 m/s^2
2. 実効値にするために 1/√2 倍(レベルで -3 dB)する
a(A,rms) = 0.05 / √2 m/s^2
レベル換算すると:
L(aA,rms) = 20 log ((0.05 / √2) / 10^-5) ≒ 74 dB – 3 dB = 71 dB
3. Aの振動レベルを求める(16Hz鉛直補正:-6 dB)
L(vA) = 71 dB – 6 dB = 65 dB
4. Bの振動レベルも同じ(L(vB) = 65 dB)
5. B(5Hz)の振動加速度レベル(実効値)を求める(5Hz鉛直補正:ほぼ 0 dB)
L(aB,rms) = 65 dB
6. Bの加速度「最大値(振幅)」を求めるために、√2 倍(レベルで +3 dB)する
求めたいのは「変位振幅(最大値)」なので、加速度も実効値から最大値に戻す必要があります。
L(aB,max) = 65 dB + 3 dB = 68 dB
これを加速度(最大値)に直すと a(B,max) = 0.025 m/s^2 になります。
7. Bの変位振幅 y(B) を逆算する
y(B) = a(B,max) / (2πf)^2 ≒ 0.025 / 1000 = 25 μm
2. 解説の「省略」の正体
上記のステップをよく見ると、以下の処理を行っています。
* 振動源Aの段階で、実効値にするために 1/√2 倍(-3 dB)する
* 振動源Bの段階で、最大値(振幅)に戻すために √2 倍(+3 dB)する
つまり、計算の途中で「 1/√2 × √2 = 1 」となり、実効値換算のプロセスが完全に相殺(キャンセル)されているのです。
「正解とヒント」などの参考書は、この相殺を見越して、最初から実効値への換算(1/√2 倍)を一切行わず、
すべて「最大値(振幅)」のままで計算を通してショートカットしているだけなのです。
重要:試験対策としての注意点
今回の問題のように、「2つの異なる振動源の振幅を比較・逆算する問題」では、実効値換算を省略しても相殺されるため答えに影響しません。
しかし、「単独の振動レベル計の指示値を求める問題」や「器差を求める問題」(例:令和6年特論問27、平成30年特論問26など)では、
この 実効値への変換(最大値から -3 dB する)を行わないと、選択肢の数値が 3 dB ズレてしまい一発で不合格(不正解)になります!
そのため、混乱を防ぐためには、あなたのように常に定義通り「実効値(-3 dB)」に直して解く習慣をつけておくのが、本番のケアレスミスを防ぐ上で最も安全で確実な方法です。
ありがとうございます!!
些細な疑問に詳細に答えていただきありがとうございました
大変スッキリしました