R7 ダイオキシン類概論 問13
問題
非燃焼過程におけるダイオキシン類の生成に関する記述として、誤っているものはどれか。
- (1) 鉄鉱石の焼結工程、製鋼工程などでは、炭素粒子や塩素源が存在する状況で高温処理が行われることから、生成機構はデノボ合成ではないと考えられる。
- (2) 2,4,5-T や PCP などの農薬製造で、クロロフェノール類を 100 ~ 200 ℃の温度域で反応させる際の副生物としてダイオキシン類が生成する。
- (3) パルプ・製紙工場では、塩素による漂白及び高温処理の過程でリグニンなどからダイオキシン類が生成すると考えられる。
- (4) カーバイド法アセチレン製造施設では、次亜塩素酸ナトリウムによる洗浄工程でのダイオキシン類生成がある。
- (5) 無置換ジベンゾフランは自然界で広く検出されており、多くの材料中に微量ながら含まれていると考えられ、それらの材料がいろいろな塩素化剤と接触する際に無置換ジベンゾフランが反応して PCDFs が生成する。
解説
非燃焼過程におけるダイオキシン類の生成メカニズムに関する問題です。選択肢(1)が誤りである理由は以下の通りです。
(1) 誤り:
鉄鉱石の焼結工程や製鋼工程において、ダイオキシン類はデノボ合成によって生成されます。焼結炉などでは温度が1000℃近くまで上昇するため、原料に含まれるダイオキシン類は一度ほとんど分解されますが、その後の排ガス冷却過程(200~400℃の温度域)において、排ガス中の炭素粒子やすすを土台とし、塩素源や触媒(銅など)が反応することでダイオキシン類が再合成されます。この「バラバラの状態から再び合成される」反応がデノボ合成の定義そのものであるため、「デノボ合成ではない」とする記述は誤りです。
他の選択肢については、以下のとおり正しい記述です。
(2) 正しい:
2,4,5-TやPCP(ペンタクロロフェノール)といった農薬の製造過程では、原料となるクロロフェノール類が高温(100~200℃)で反応する際の副生物としてダイオキシン類が発生します。
(3) 正しい:
パルプ・製紙工場の漂白工程において、リグニンなどの有機不純物を除去するために塩素又は塩素化合物を使用すると、その反応過程でダイオキシン類が生成され、廃液中に混入します。
(4) 正しい:
カーバイド法によるアセチレン製造では、生成したアセチレンガスに含まれる不純物を除去するために次亜塩素酸ナトリウムなどで洗浄する工程があり、この工程でダイオキシン類が生成されると推測されています。
(5) 正しい:
ダイオキシン類の生成には「前駆体反応」という経路があります。これは、母体となる炭化水素(この場合は無置換ジベンゾフラン)に塩素化剤が反応して、直接PCDFsなどが生成されるプロセスを指します。
解答.
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