鉛直方向のオクターブバンド補正値は覚えなければいけませんが、1/3オクターブバンドの振動補正値までは覚えられません。
一見すると無理そうな問題ですが、最大レベルが60デシベルであり、それ以外は10デシベル以下のレベルになっています。
そこで、60デシベルの部分だけに注目して、選択肢を考えます。
(1)まず、機械Aの振動レベルを求めます。
鉛直方向の補正値について、4Hzは0デシベル、8Hzは-1デシベルです。
したがって、60デシベルを含んでいる3.15~6.3Hzの補正値は、ほぼ0に近いと推測できます。
60デシベルが4つあるので、60+60+60+60=63+63=66dBとなります。
次に、機械Bの振動加速度レベルを求めます。
12.5~25Hzに60デシベルが4つあるので、機械Aと同様に66dBとなります。
(2)鉛直方向の補正値は、8Hz以上の周波数で直線的に小さくなります。
機械Bでは12.5、16Hzで60デシベルあるのに対し、機械Cでは両周波数で10デシベル以上小さい加速度レベルになっています。
周波数補正値を加味しても、このレベル差があれば機械Bの振動レベルが機械Cより大きことは明らかであると考えられます。
(3)まず、機械Aの振動加速度レベルを求めます。
機械Aは60Hzが5つあるので、60Hzが4つの機械Bの振動加速度レベル66dBに60dBをもう一つ足します。
66+60=67dB
次に、機械Cの振動加速度レベルですが、60Hzが2つなので、63dBとなります。
以上から、振動加速度レベルは、明らかに機械Aの方が大きくなります。
(4)先ほどの(1)と(3)から、機械Aの振動加速度レベルが一番大きくなります。
(5)振動加速度レベルから振動レベルを求める場合、鉛直方向では下表のように周波数補正します。
周波数(Hz) |
1 |
2 |
4 |
8 |
16 |
31.5 |
63 |
補正値(dB) |
-6 |
-3 |
0 |
-1 |
-6 |
-12 |
-18 |
機械Aは、4Hz付近に60dBが多いため補正は少なく、振動レベルは一番大きいことが分かります。
機械Bと機械Cを比較すると、20、25Hzは同様ですが、12.5、16Hzは機械Bの方が大きいことが分かります。
周波数補正から、8Hz以上は直線的に補正値が大きくなるため、機械Bの方が機械Cより大きいことが分かります。
以上はから、振動レベルは機械Cが一番小さいことが分かります。
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