H24 騒音・振動特論 問4
問題
平らな床面とそれに垂直な壁との交線上の中央に点音源とみなせる音源がある。音源から距離 4mの位置で音圧レベルを測定したところ 66dB であった。この音源の音響出力は約何 W か。
(1) 1.0×10-4
(2) 1.5×10-4
(3) 2.0×10-4
(4) 2.5×10-4
(5) 3.0×10-4
解説
この問題は、測定された「音圧レベル(dB)」から、音の根本的なエネルギーである「音響出力(W)」を逆算する計算問題です。
一見すると複雑な対数計算が必要に見えますが、「音源が置かれている場所(方向係数)」のイメージと、試験でおなじみの「対数分解の裏ワザ」を使えば、パズルのようにスッキリ解くことができます。
ステップ1:「方向係数(Q)」のイメージをつかむ
音源から放射された音が、障害物によってどう広がるかを表すのが「方向係数(Q)」です。
- 空中にポツンと浮いている(自由空間):音が全方向に広がるため Q = 1
- 平らな床の上に置かれている(半自由空間):音が下に行けず上半分(1/2の空間)に広がるため Q = 2
- 床面と壁の交線上に置かれている(隅):床と壁に遮られて1/4の空間に広がるため Q = 4
問題文には「平らな床面とそれに垂直な壁との交線上」とあるため、音が広がる空間は1/4になり、今回は Q = 4 を使って計算します。
ステップ2:「音響パワーレベル(Lw)」を逆算する
まず、測定地点の音圧レベル(Lp)と音響パワーレベル(Lw)の関係式を使います。
公式:Lp = Lw + 10 log(Q / 4πr2)
ここに、音圧レベル Lp = 66 dB、方向係数 Q = 4、距離 r = 4 m を代入します。
66 = Lw + 10 log(4 / 4×π×42)
分子と分母の「4」を約分して整理します。
66 = Lw + 10 log(1 / 16π)
💡 魔法の概算テクニック
公害防止管理者試験では大まかな数字で選択肢を絞れます。 π=3.14 なので、16π≒50 として計算しましょう。
10 log(1 / 50) = 10 log1 – 10 log50
log1 = 0 なので、= -10 log50
ここで log50 = log(100 / 2) = log100 – log2 = 2 – 0.3 = 1.7 となります。
よって、-10 1.7 = -17 です。
これを元の式に戻します。
66 = Lw – 17
Lw = 66 + 17 = 83 dB
これで音響パワーレベルが 83 dB であることが分かりました。
ステップ3:「音響出力(P)」を逆算する
最後に、求めた 83 dB をエネルギーの単位(W)に戻します。
公式:Lw = 10 log(P / P0)
※基準となる音響出力 P0 = 10-12 W は試験で問題文に与えられないことがあるため暗記必須です
83 = 10 log(P / 10-12)
対数の割り算を引き算に分解します。
83 = 10 logP – 10 log10-12
83 = 10 logP – (-120)
83 = 10 logP + 120
10 P = 83 – 120 = -37
P = -3.7
💡 魔法の逆算テクニック
ここから対数を外します。
P = 10-3.7 は、100.3 ×10-4 に分解できます。
試験必須の「log2≒0.3」の逆算を使うと、「100.3 は 約 2」に変身します!
P≒ 2.0 × 10-4 W
したがって、音響出力は約 2.0 × 10-4 W となり、正解は(3)となります。
💡 学習のポイント
この問題を解くカギは以下の3点です。
- 1. 方向係数(Q)のルール:空中(自由空間)は1、床面(半自由空間)は2、床と壁の交線(隅)は4。
- 2. 2つの基本公式:Lp = Lw + 10 log(Q/4×π×r2) と Lw = 10 log(P / P0) を連携させる。
- 3. 対数分解の裏ワザ:10-3.7 を 100.3 と 10-4 に分け、100.3 ≒ 2 にするテクニック。
この流れを身につけておけば、複雑なデシベル計算も迷わず突破できるようになります。
正解.
3
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