問題
図のようにAとBの地表面上の点に2つの振動源がある。各振動源から距離r0(m)離れた点での振動レベルがL0(dB)のとき,図の同一地表面上のP点における振動レベルの大きさに関する記述として,正しいものはどれか。ただし,A点の振動源からの振動は倍距離6dBで減衰し,B点の振動源からの振動は倍距離3dBで減衰する。また,r > r0 とする。

⑴ A点からの振動の振動レベルとB点からの振動の振動レベルは,距離r(m)に関係なく常に同じである。
⑵ A点からの振動の振動レベルが,B点からの振動の振動レベルより小さくなることはない。
⑶ A点とB点からの振動の振動レベルの差は,常に3dBである。
⑷ B点からの振動の振動レベルの大きさは,L0‐20log(r /r0)(dB)である。
⑸ B点からの振動の振動レベルは,A点からの振動の振動レベルよりも10log(r/r0) (dB)大きい。
解説
(1)問題文で「A点の振動源からの振動は倍距離6dBで減衰し,B点の振動源からの振動は倍距離3dBで減衰する。」とされているので、距離により振動レベルは変わります。
(2)問題文からA点の方が距離減衰が大きいので、離れるほどA点の方が小さくなります。
(3)(4)(5)振動の減衰は、以下の式で求められます。
L=L0-20nlog(r/r0)-8.7λ(r-r0)
- L:測定点での振動加速度レベル
- L0:基準点の振動加速度レベル
- r:発生源から測定点までの距離
- r0:発生源から基準点までの距離
- λ:内部減衰係数
- n:幾何減衰係数
問題文で「A点の振動源からの振動は倍距離6dBで減衰し,B点の振動源からの振動は倍距離3dBで減衰する。」とされているので、内部減衰は発生していないと考えられます。
倍距離での減衰量からA、Bでの幾何減衰係数nを求めます。
A
20nlog(2r0/r0)=6
20・n・0.3=6
n=1
B
20nlog(2r0/r0)=3
20・n・0.3=6
n=0.5
A、Bでの振動加速度レベルをそれぞれLA、LBとして、上記の数値を代入します。
LA=L0-20log(r/r0)
LB=L0-10log(r/r0)
したがって、(4)はAでの加速度レベルを求める式であることが分かります。
ここから、LAとLBの差は、以下のようになります。
LB-LA=-10log(r/r0)+20log(r/r0)
=-10logr+10logr0+20logr-20logr0
=10logr-10logr0
=10logr/r0
以上から、AとBの差は距離により変わるので、(3)は誤りであり、その差は(5)のとおり10logr/r0となります。
計算問題を強化したい方にオススメ

解答 5
次の問題だよ~♪

前の問題だよ~♪

