H30騒音・振動

H30 騒音・振動特論 問21

問題

図のようにAとBの地表面上の点に2つの振動源がある。各振動源から距離r0(m)離れた点での振動レベルがL0(dB)のとき,図の同一地表面上のP点における振動レベルの大きさに関する記述として,正しいものはどれか。ただし,A点の振動源からの振動は倍距離6dBで減衰し,B点の振動源からの振動は倍距離3dBで減衰する。また,r > r0 とする。

 

 

⑴ A点からの振動の振動レベルとB点からの振動の振動レベルは,距離r(m)に関係なく常に同じである。

⑵ A点からの振動の振動レベルが,B点からの振動の振動レベルより小さくなることはない。

⑶ A点とB点からの振動の振動レベルの差は,常に3dBである。

⑷ B点からの振動の振動レベルの大きさは,L0‐20log(r /r0)(dB)である。

⑸ B点からの振動の振動レベルは,A点からの振動の振動レベルよりも10log(r/r0) (dB)大きい。

解説

(1)問題文で「A点の振動源からの振動は倍距離6dBで減衰し,B点の振動源からの振動は倍距離3dBで減衰する。」とされているので、距離により振動レベルは変わります。

(2)問題文からA点の方が距離減衰が大きいので、離れるほどA点の方が小さくなります。

(3)(4)(5)振動の減衰は、以下の式で求められます。

L=L0-20nlog(r/r0)-8.7λ(r-r0)

L:測定点での振動加速度レベル

L0:基準点の振動加速度レベル

r:発生源から測定点までの距離

r0:発生源から基準点までの距離

λ:内部減衰係数

n:幾何減衰係数

 

問題文で「A点の振動源からの振動は倍距離6dBで減衰し,B点の振動源からの振動は倍距離3dBで減衰する。」とされているので、内部減衰は発生していないと考えられます。

倍距離での減衰量からA、Bでの幾何減衰係数nを求めます。

A

20nlog(2r0/r0)=6

20・n・0.3=6

n=1

B

20nlog(2r0/r0)=3

20・n・0.3=6

n=0.5

 

A、Bでの振動加速度レベルをそれぞれLA、LBとして、上記の数値を代入します。

LA=L0-20log(r/r0)

LB=L0-10log(r/r0)

したがって、(4)はAでの加速度レベルを求める式であることが分かります。

ここから、LAとLBの差は、以下のようになります。

LB-LA=-10log(r/r0)+20log(r/r0)

=-10logr+10logr0+20logr-20logr0

=10logr-10logr0

=10logr/r0

 

以上から、AとBの差は距離により変わるので、(3)は誤りであり、その差は(5)のとおり10logr/r0となります。

解答 5

 

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ピエうさ
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