R2 騒音・振動特論 問17
問題
振動対策等に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
⑴ 振動源に対する対策として,主に弾性支持が用いられる。
⑵ 印刷機械や織機の場合には,弾性支持の機構そのものが好ましくないことから,基礎や距離減衰を利用した対策が多い。
⑶ 合成樹脂用射出成形機や空気圧縮機の場合には,共通架台を作りその上に施設を設置し対策を行うことが多い。
⑷ 伝搬経路対策として,振動遮断溝の有効性が広く認められている。
⑸ 大きな振動が発生する作業の場合には,事前に住民説明することも一つの対策である。
解説
振動遮断溝は、効果がほとんど期待できません。
解答 4
次の問題だよ~♪
R2 騒音・振動特論 問18問題
質量 500 kg の機械をばね定数 500 kN/m のばねを介して弾性支持したが,設計を誤り,機械の運転時に共振状態となった...
前の問題だよ~♪
R2 騒音・振動特論 問16問題
JIS Z 8731:2019“環境騒音の表示・測定方法”に関する記述として,誤っているものはどれか。
⑴ この規格は,I...
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振動遮断溝は、効果がほとんど期待できません。
とありますが、効果が期待できないのに実際に施工例があるのはなぜでしょうか?
ご質問ありがとうございます!
結論から申し上げますと、「試験で扱われるような『低周波の公害振動(長波長)』には効果がほぼないが、
特定の条件(高周波振動や建物内の構造分離など)に限っては一定の意味があるから」というのが理由です。
試験での知識と、実際の施工例が存在する背景について、3つのポイントで分かりやすく解説します。
1. なぜ試験では「効果が期待できない(✕)」とされるのか?
公害防止管理者試験で問題となる「公害振動」は、主に 1 Hz 〜 80 Hz という周波数帯の振動です。
波長が非常に長い:
地盤を伝わる振動(レイリー波など)は、波長(波の1周期の長さ)が 数メートル 〜 十数メートル(時には数十メートル)にも達します。
溝の下を潜り抜けてしまう(回折現象):
波長が数メートルもある大きな波に対して、現場で手軽に掘れる「数十センチ 〜 1メートル程度」の浅い溝を掘っても、振動波は溝の底を軽々とくぐり抜けて(アンダーパスして)相手側に伝わってしまいます。
莫大なコストがかかる:
振動を十分に遮断するには、波長の半分以上(深さ数メートル 〜 10メートル以上)の巨大な深溝を掘る必要がありますが、これはビル建設レベルの大工事になり、莫大な費用と手間がかかります。
そのため、試験では「手軽な防振対策(伝搬経路対策)として振動遮断溝(防振溝)を設けても、十分な効果は期待できない(不適当)」という解が正解になります。
2. それなのに「実際の施工例」が存在する3つの理由
公害振動に対しては効果が乏しい振動遮断溝ですが、現場で施工されるのには以下のような「限定的な目的や条件」があるからです。
① 波長が短い「高周波振動」対策として
振動の周波数が高い(例えば数十〜数百Hz以上の細かな揺れ)場合、波長が数十センチ程度と短くなるため、浅い溝でも一定の遮断効果が得られることがあります。
精密工場や研究所などで、高周波の微振動を嫌う機器の周りに施工されるケースがこれに該当します。
② 建物や基礎の「縁切り(構造スリット)」として
地盤に溝を掘るのではなく、「振動を発する大型機械の基礎」と「建物の床や壁」を物理的に切り離す(隙間を空ける)施工例がよくあります。
これも「遮断溝・スリット」と呼ばれますが、地盤中の伝達を防ぐのではなく、建物という構造体を通じて振動が伝わるのを防ぐ「構造分離」として非常に有効です。
③ 空溝ではなく「地中遮断壁」として
単に穴(溝)を掘るだけでは土壁が崩落してしまうため、実際の現場では溝の中に発泡スチロール、ゴム、粘土(ベントナイト)、特殊シートなどを充填した「地中遮断壁」として施工される例があります。
これも深さが浅ければ低周波には効きませんが、高周波対策や補助的な遮断対策として試みられることがあります。
3. 受験生向けまとめ:試験対策としての割り切り方
現実の実務:
条件(高周波振動、構造の縁切りなど)が合えば局所的に使われることもある。
国家試験の基準:
工場や工事の「公害振動(低周波)」に対しては、浅い溝や地中塀で防ぐのは物理的に無理(効果はほとんど期待できない)と割り切る。
「公害振動=波が巨大だから、浅い溝はかるく飛び越えられて意味がない!」という物理的なイメージを持っておくと、
本番で「振動遮断溝は簡便で効果が大きい」といった引っ掛け選択肢が出てきても自信を持ってバツ(不適当)を選べるようになります!
なるほど! 路線とか大規模なものでは有効だが、今回のような狭い範囲での防振では効果がイマイチなんですね!