問題
毎分750回転することにより,鉛直方向の正弦加振力を生じている機械がある。この機械の中心から距離2.5mの地表面で振動加速度レベルを測定したところ,70dBであった。この機械の中心から敷地境界線までの距離は20mである。レイリー波が卓越し,地盤の内部減衰係数(1/m)を0.01とした場合の敷地境界線での振動レベルは約何dBか。
⑴ 49
⑵ 51
⑶ 53
⑷ 55
⑸ 57
解説
振動の距離減衰は、振動加速度レベルをLとすると、以下の式で求められます。
L=L0-20nlogr/r0-8.7λ(r – r0)
- L0:基準点での振動加速度レベル
- r0:発生源から基準点までの距離
- r:発生源から測定点までの距離
- λ:地盤の内部減衰係数
- n:幾何減衰係数(表面波:0.5、表面波と実体波が混在:0.75、実体波:1.0、表面を伝搬する実体波:2.0)
この問題では、レイリー波が発生していますが、これは表面波です。
内部減衰係数nは、0.5となります。
敷地境界線での振動加速度レベルLは、問題文の条件を距離減衰の式に代入し、以下のとおり求めます。
L=70-20×0.5×log20/2.5 – 8.7×0.01×(20-2.5)
=70-10log8 – 1.52
=59.5(dB)
ここで、振動加速度レベルから振動レベルを求めるため、発生源の振動数を求めます。
回転数が毎分750回転のため、毎秒では750/60=12.5(Hz)となります。
鉛直方向のオクターブバンド補正について、12.5Hzを覚えている方はほとんどいないと思います。
よく問われる数値で近いものは、8Hzの-1dB、16Hzの-6dBなので、ここから12.5Hzの補正値を推測します。
12.5は、8と16のほぼ中間なので、単純に平均すると、-3.5dBあたりが補正値になりそうです。
この場合の振動レベルは、59.5-3.5=56(dB)となります。
選択肢では、(4)55と(5)57の間ですが、これは12Hzと考えた場合なので、実際はもう少し16Hz寄りの小さい補正値になると推測できます。
したがって、振動レベルは56dBよりも小さい55dBであることが推測できます。
なお、12.5Hzの補正値-4.2dBを覚えている方は、59.5-4.2=55.3dBとなるので、正解はすぐに分かります。
解答.
4
次の問題だよ~♪
前の問題だよ~♪
目次に戻るよ~♪
https://pierre-usagi.com/kougai-top/kougai-souon-shindou-tokuron-r6/