R2 騒音・振動特論 問23
問題
防振装置設置の一般的な注意事項に関する記述として,誤っているものはどれか。
⑴ 防振装置取り付けにより周囲と相対変位が生じるため,作業床と機械間の変位緩衝部に隙間を設ける。
⑵ 機械の周囲に配置する作業床は,作業者,運搬車等の荷重条件を満たすように補強する。
⑶ 基礎の形状,寸法は,メンテナンス作業を十分考慮して決定する。
⑷ 機械と外部との接続部は,すべて動変位可能にする。
⑸ 防振装置取り付け後の距離減衰は大きくなる。
解説
振動の距離減衰は、以下の関係式があります。
L=L-20nlogr/r0-8.7λ(r-r0)
この公式はよく出るので覚えておいてください。
この式の内、λは地盤の内部減衰係数と呼ばれ、以下の式で表されます。
λ=2πfh/V
f:振動数
h:土の内部減衰係数
V:伝搬速度
防振装置を取り付けると振動数は減少しますので、λも減少します。
したがって、距離減衰も小さくなります。
式で考えると複雑ですが、イメージとしては、小刻みな波は伝わりにくく、ゆったりとした波は遠くまで伝わるような感じになります。
解答 5
次の問題だよ~♪
R2 騒音・振動特論 問24問題
工場内のある特定の機械を運転したときの振動に対して,付近の住民から振動公害の苦情が発生した場合,その防止対策において最も不要な調...
前の問題だよ~♪
R2 騒音・振動特論 問22問題
ダンパに関する記述として,誤っているものはどれか。
⑴ ハンマ,プレスなどの衝撃加振に対しては,振動を減衰させる。
...
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防振装置を取り付けると振動数は減少しますので、λも減少します。
ここなのですが、-8.7λ(r-r0)のマイナスの部分が大きくならないと振動レベルも小さくならないと思うのですが、どうでしょうか?
ご質問ありがとうございます!
「引き算する部分(マイナスの項)が大きくならないと、振動レベルも小さく(低く)ならないはずだ」というご指摘は、数式的にも物理的にも完全に合致しています。
解説文で使われている「距離減衰が小さくなる」という表現と、ご質問者様の正しい思考プロセスがどのように繋がっているのか、順を追ってスッキリ整理して解説いたします。
1. ご質問の思考プロセスは正しい
地盤振動の距離減衰の公式は以下の通りです。
測定点での振動レベル = 基準点でのレベル - 幾何減衰の項 - 8.7 × λ × (距離の差)
ここで、8.7 × λ × (距離の差) というのは、まさに地面に吸収されて引き算される「レベルを押し下げる効果(内部減衰量)」です。
質問者様が見抜かれた通り:
・この「引き算する量(マイナス項)」が大きいほど ➡ 測定点での振動レベルは「大きく下がる(小さくなる)」。
・この「引き算する量(マイナス項)」が小さいほど ➡ 測定点での振動レベルは「あまり下がらない(小さくならない)」。
この数式の見方は完璧に正しいです!
2. なぜ選択肢(5)が「誤り(正解)」になるのか?
問題文の選択肢(5)には以下のように書かれています。
選択肢(5):「防振装置取り付け後の距離減衰は大きくなる。」
試験における「距離減衰が大きくなる」という言葉の意味は、「距離が離れたときに、振動レベルがガクンと大きく下がる(よく減衰する)」ということです。
防振装置を取り付けたときに何が起きるかをステップ順に見てみましょう。
・ステップ1:防振装置を取り付けると、地盤に伝わる振動数(周波数 f)が減少します(揺れが低周波・ゆったりとした波になります)。
・ステップ2:地盤の内部減衰係数の公式(λ = 2 × π × f × h / V)より、振動数 f が下がると、内部減衰係数 λ も小さくなります。
・ステップ3:λ が小さくなると、公式の引き算の項「8.7 × λ × (距離の差)」の数値自体が小さくなってしまいます。
・ステップ4:引き算する量が小さくなるため、ご質問の通り、「測定点での振動レベルは小さく(低く)ならず、高いレベルのまま残ってしまう」ことになります。
・ステップ5:つまり、距離が離れてもレベルがほとんど下がらないため、距離による減衰効果は「大きくなる」のではなく、正しくは「小さくなる(減衰しにくくなる)」のです。
したがって、選択肢(5)の「距離減衰は大きくなる」という記述は事実と真逆(誤り)となり、この問23の正解(誤っている選択肢)となります。
なるほど!
因果関係がわかりました。