H29騒音・振動

H29 騒音・振動特論 問21

問題

地表の 1 点を加振して広がる波動の距離減衰に関する記述として,誤っているものはどれか。ただし,地盤は半無限の均質な弾性体とする。

⑴ 波動の距離減衰は,幾何減衰と内部減衰を含む式で表される。

⑵ 地盤の内部減衰係数は,伝搬速度に反比例する。

⑶ 内部減衰量は,振動源から離れるに従って大きくなる。

⑷ 実体波の振幅は,表面波のそれに比べて距離による減衰が大きい。

⑸ 表面波は,内部減衰が無視できる場合には,10 倍の距離で 20 dB 減少する。

解説

振動の距離減衰は、以下の式で求められます。

L=L0-20nlogr/r0-8.7λ(r-r0)

L:ある距離での振動レベル

0:基準点からの振動レベル

n:幾何減衰係数

r:加振点からの距離

0:加振点から基準点までの距離

λ:内部減衰係数

 

(1)上記の式で、logの項が幾何減衰、8.7λの項が内部減衰となります。

(2)λ=2πfh/V

f:振動数

h:土の内部減衰定数

V:伝搬速度

この関係式から、速度の反比例していることがわかります。

しかし、内部減衰係数の関係式まで覚えることは大変だと思うので、個人的には他の選択肢から正解を絞った方が良いと思います。

(3)内部減衰の項を見てのとおり、距離に従って減衰が大きくなります。

(4)幾何減衰係数nについて、表面波は0.5、実体波は1.0となります。

つまり、幾何減衰の項について、実体波の減衰が大きいことになります。

(5)表面波(n=0.5)で内部減衰が無視できる(λ=0)のときの距離減衰は、以下のとおりとなります。

L=L0-10logr/r0

距離が10倍(r→10r)の減衰を求めます。

-L10r=-10logr/r0+10log10r/r0=10log10r/r=10dB

解答 5

 

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ピエうさ
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