問題
JIS Z 8731:2019“環境騒音の表示·測定方法”に関する記述として,誤っているものはどれか。
⑴ 総合騒音は,ある場所におけるある時刻の総合的な騒音のことである。
⑵ 背景騒音は,ある一つの特定騒音に着目した場合,それ以外の全ての騒音のことである。
⑶ 定常騒音は,レベルの変化が小さく,ほぼ一定とみなせる騒音のことである。
⑷ 特定の定常騒音の騒音レベルを測定する場合,その騒音があるときとないときの指示値の差が 10 dB 以上あれば,背景騒音の影響はほぼ無視してもよい。
⑸ 騒音レベルが安定している場合には,騒音計の時間重み付け特性Fを用いて指示値を読み取る。
解説
この問題では、「JIS Z 8731:2019“環境騒音の表示·測定方法”」について問われています。
JIS Z 8731において、「定常騒音の測定方法」が以下のとおり規定されています。
騒音レベルが安定している場合には,騒音計の時間重み付け特性Sを用いて指示値を読み取る。多少の変動が見られる場合には,騒音計の積分平均機能を利用して一定時間の等価騒音レベルを求める。
したがって、騒音レベルが安定している場合、JIS8731にしたがった測定方法では、時間重み付け特性Sを用いることが正解となります。
一方、試験で良く問われる工場・事業場の規制基準を測定する方法は、「特定工場等において発生する騒音の規制に関する基準」に規定されています。
騒音の測定は、計量法第七十一条の条件に合格した騒音計を用いて行うものとする。この場合において、周波数補正回路はA特性を、動特性は速い動特性(FAST)を用いることとする。
また、「特定工場等において発生する騒音の規制に関する基準」において、騒音の評価は以下のように規定されています。
- (一) 騒音計の指示値が変動せず、又は変動が少ない場合は、その指示値とする。
- (二) 騒音計の指示値が周期的又は間欠的に変動し、その指示値の最大値がおおむね一定の場合は、その変動ごとの指示値の最大値の平均値とする。
- (三) 騒音計の指示値が不規則かつ大幅に変動する場合は、測定値の九十パーセントレンジの上端の数値とする。
- (四) 騒音計の指示値が周期的又は間欠的に変動し、その指示値の最大値が一定でない場合は、その変動ごとの指示値の最大値の九十パーセントレンジの上端の数値とする。
問題文の「騒音レベルが安定している」状況は、(一)の場合に該当します。ただし、「特定工場等において発生する騒音の規制に関する基準」では速い動特性(F)を用いることになります。
非常に紛らわしい問題ですが、何について問われているか良く読んで回答しましょう。
解答.
5
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この問題で選択(5)の安定した騒音レベルとは速い動特性(f)のことでしょうか?
精選問題集には安定した騒音レベルの記述がありませんのでわかりません。
解説を詳細にしたので、解説記事をご覧ください。
https://pierre-usagi.com/kougai-r3-souon-shindou-tokuron-15/