問題

下図に示す工場建屋の壁面Aから,外部に向かって騒音が一様に放射されてい る。この壁面の中心 O から壁面Aに対して垂直に 1 m 離れた地点 P における騒音 レベルが 63 dB であったとき,その延長線上にある地点 Q 及び R における騒音レベルの値に最も近い組合せはどれか。ただし,壁面A以外から放射される騒音,地面等における騒音の反射,及び暗騒音の影響は,いずれも無視できるものとする。  

地点 Q – 地点 R

63 – 57

60 – 54

60 – 51

57 – 51

57 – 48

解説

この問題は、巨大な壁のような音源(長方形の有限面音源)から遠ざかっていくときに、「距離によって音源の見え方が変わり、音の減り方(減衰ルール)も切り替わる」という性質を利用した計算問題です。

いきなり引き算をするのではなく、まずは「どこからルールが切り替わるのか(境界線)」を計算するのが最大のカギになります。

ステップ1:音源の見え方と「境界線」を計算する

長方形の音源から離れていくと、最初は「面(壁)」に見えていたものが、やがて「線(帯)」になり、最後は遠くの「点」にしか見えなくなります。これに合わせて減衰ルールも変化します。
境界線は、それぞれ「辺の長さ ÷ π(約3.14)」で求められます。

【面音源のエリア】(境界線:短辺 6.3 ÷ 3.14 ≒ 2 m まで)

目の前に壁が広がっている状態。音は拡散せず全く減らない(0 dB減衰)

【線音源のエリア】(境界線:長辺 25.1 ÷ 3.14 ≒ 8 m まで)

壁が横に細長く見える状態。距離が2倍になるごとに少し減る(-3 dB減衰)

【点音源のエリア】(8m より遠い距離)

壁が一つの点にしか見えない状態。全方向に拡散し急激に減る(-6 dB減衰)

ステップ2:地点P、Q、Rへと「すごろく」で進む

ルールの切り替わり地点(2m、8m)を中継地点として、倍距離ごとに順番に計算していきます。

① 地点P(1m)の騒音レベル

1m地点は「2mまで」の面音源エリア内なので、音は全く減衰しません。
したがって、壁面と同じ 63 dB であることが分かります。
(※ルールが切り替わる「2m地点」までは、ずっと 63 dB のままです)

② 地点Q(4m)の騒音レベル

2m地点(63 dB)から、倍の距離である 4m地点(地点Q)へ進みます。
ここは2m〜8mの「線音源エリア」なので、倍距離で 3 dB 減衰します。
63 – 3 = 60 dB (地点Qの騒音レベル)

③ 中継地点(8m)の騒音レベル

さらに倍の距離である 8m地点へ進みます。
ここもまだ「線音源エリア」なので、さらに 3 dB 減衰します。
60 – 3 = 57 dB (8m中継地点)

④ 地点R(16m)の騒音レベル

最後に、8m地点から倍の距離である 16m地点(地点R)へ進みます。
8mの境界線を越えたため、ここからは「点音源エリア」のルールに切り替わり、倍距離で 6 dB 減衰します。
57 – 6 = 51 dB (地点Rの騒音レベル)

以上の計算から、地点Qは 60 dB、地点Rは 51 dB となり、正解は(3)となります。

💡 学習のポイント

有限の大きさを持つ音源の問題が出たときは、必ず以下の手順を守りましょう。

1. 境界線を引く

まずは「短辺 ÷ 3.14」と「長辺 ÷ 3.14」を計算し、ルールが変わる距離をメモする。

2. 減衰ルールの暗記

近い方から順に「面(0)→ 線(-3)→ 点(-6)」と減り方が大きくなる。

3. 中継地点を踏む

いきなり目的地の距離を計算するのではなく、倍距離ごとに中継地点の数値を出しながらすごろくのように進める。


解答.

3


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子育てをしながら国家試験に挑む理系会社員。 これまでの受験したノウハウをこのブログで公開中!