R3騒音・振動

R3 騒音・振動特論 問26

問題

ある工場でA,B,Cの 3 台の機械が稼働している。 1 台ずつ稼働させて工場敷地内の同じ地点で鉛直方向の振動を測定し,下表のように 25 Hz までの 1/3 オクターブバンド振動加速度レベル(dB)を得た。この周波数範囲における振動レベルと振動加速度レベルに関する記述として,誤っているものはどれか。  

⑴ 機械Aの振動レベルの数値は,機械Bの振動加速度レベルの数値とほぼ同じである。 

⑵ 機械Bの振動レベルは,機械Cの振動レベルよりも大きい。 

⑶ 機械Aと機械Cの振動加速度レベルは,ほぼ同じ大きさである。 

⑷ 振動加速度レベルが最も大きい機械は,機械Aである。 

⑸ 振動レベルが最も小さい機械は,機械Cである。 

解説

鉛直方向のオクターブバンド補正値は覚えなければいけませんが、1/3オクターブバンドの振動補正値までは覚えられません。

一見すると無理そうな問題ですが、最大レベルが60デシベルであり、それ以外は10デシベル以下のレベルになっています。

そこで、60デシベルの部分だけに注目して、選択肢を考えます。

(1)まず、機械Aの振動レベルを求めます。

鉛直方向の補正値について、4Hz0デシベル、8Hz-1デシベルです。

したがって、60デシベルを含んでいる3.156.3Hzの補正値は、ほぼ0に近いと推測できます。

60デシベルが4つあるので、60+60+60+60=63+63=66dBとなります。

次に、機械Bの振動加速度レベルを求めます。

12.525Hz60デシベルが4つあるので、機械Aと同様に66dBとなります。

(2)鉛直方向の補正値は、8Hz以上の周波数で直線的に小さくなります。

機械Bでは12.516Hz60デシベルあるのに対し、機械Cでは両周波数で10デシベル以上小さい加速度レベルになっています。

周波数補正値を加味しても、このレベル差があれば機械Bの振動レベルが機械Cより大きことは明らかであると考えられます。

(3)まず、機械Aの振動加速度レベルを求めます。

機械A60Hz5つあるので、60Hz4つの機械Bの振動加速度レベル66dB60dBをもう一つ足します。

66+60=67dB

次に、機械Cの振動加速度レベルですが、60Hz2つなので、63dBとなります。

以上から、振動加速度レベルは、明らかに機械Aの方が大きくなります。

(4)先ほどの(1)(3)から、機械Aの振動加速度レベルが一番大きくなります。

(5)振動加速度レベルから振動レベルを求める場合、鉛直方向では下表のように周波数補正します。

周波数(Hz) 1 2 4 8 16 31.5 63
補正値(dB) -6 -3 0 -1 -6 -12 -18

機械Aは、4Hz付近に60dBが多いため補正は少なく、振動レベルは一番大きいことが分かります。

機械Bと機械Cを比較すると、20、25Hzは同様ですが、12.5、16Hzは機械Bの方が大きいことが分かります。

周波数補正から、8Hz以上は直線的に補正値が大きくなるため、機械Bの方が機械Cより大きいことが分かります。

以上はから、振動レベルは機械Cが一番小さいことが分かります。

 


解答.

3


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